PR活動

PRとはパブリック・リレーションズの略であり、日本では戦後のGHQの指導の下、公官庁への導入が求められました。
その際、パブリック・リレーションズを「広報」と訳す省庁が多く、現在の「広報」という文言が主流となりました。
広義のPRは「ステークホルダーとの双方向の良好な関係作りや維持」でありますが、日本では多くの場合、プレスリリース、記者発表、決算発表、社内広報、といった一方向のコミュニケーションを指します。
この場合のPRは狭義のPRと位置づけられ、長い間、企業の「広報課」などがその職務を担ってきました。
近年、日本においても従来型の狭義のPR活動から広義のPR活動への注目が高まり、活動も多岐にわたるようになっています。

かつてのPR活動は「新聞記者、雑誌編集者と良好な関係を築き、自社の情報を新聞・雑誌に掲載すること」に主眼が置かれていましたが、これはPR活動の一部であるパブリシティ獲得活動に過ぎません。
現在は「外部情報の受信」「外部情報の内部への発信」「社内情報の受信」「社内情報の社内への発信」「社内情報の社外への発信」という5つの活動を総称してPR活動として定義することが一般的です。
先ほどの「パブリシティ獲得活動」は「社内情報の社外への発信」活動の結果の一つであると言えます。

PRと広告の違い

PRと広告の違いについて論ずる前に、PR活動における広告的活動を説明する必要があります。
「PR活動とは」で述べた通りPR活動は多岐にわたります。
その中での広告的活動とは、テレビ、新聞、雑誌、WEBなどに自社の情報を露出させるパブリシティ獲得活動が該当します。
これはPR活動の中の「社内情報の社外への発信」の一部ではありますが、メディアを介して広く消費者や関係者に伝搬されるためその影響力は大きく、PR活動の代表として「広告活動」と比較されることが間々あります。
従って以降では「PRと広告の違い」を「パブリシティ獲得と広告の違い」として両者を比べることにします。

広告は、露出・掲載される枠をメディアから買い付け、その枠に広告という形で自由なメッセージで表現し発信します。
企業の伝えたいメッセージを各メディアに確実に発信することが出来ます。
しかし、莫大な費用が掛かることと消費者の広告慣れから、その効果に疑問が持たれています。

一方、パブリシティ獲得は、あくまでテレビ制作者、新聞記者、雑誌編集者、WEBニュース編集者の意図による編集枠内(広告枠では無い)での扱いになるため、メディア発の信頼性の高い情報として消費者に届きます。
そのためパブリシティによる情報の信頼度や浸透度は広告とは比べ物にならないほど高く、また基本的にはメディア費用は掛かりません。
しかし、良い事ばかりのように見えるパブリシティですが、デメリットも存在し、まず「簡単にはパブリシティとして扱われない」事が挙げられます。
また努力の甲斐あってパブリシティ獲得に成功しても、その内容は前述した通り編集者の意図によるので、「企業側の望んでいる露出や表現にならない」可能性もあります。
場合によっては企業側が意図しない批判的な扱いをされる場合さえあります。

パブリシティ獲得活動と広告活動にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、十分に理解したうえで自社に合った活動を実施する事をお勧めします。

露出・掲載 PR 広告
枠の確保 基本的に不可能 購入により可能
枠の場所 番組内や記事内 CM枠や広告スペース
内容 メディア主体 広告主主体
タイミング メディア次第 希望通り
費用 基本的に無料 広告料金の発生
信頼度 著しく高い 低い