コーポレートコミュニケーション

コーポレート・コミュニケーション(CC)という言葉が使われるようになったのは、米国の経済誌「FORTUNE」が1972年に「コーポレート・コミュニケーションズセミナー」を開催してからだといわれている。このCCの考え方が米国企業を中心に取り入れられ、組織の名称にも使われるようになるのは1980年代に入ってからで、特に1987年のブラックマンデーを境に企業コミュニケーションのあり方も環境の変化に対応する必要性に迫られ、一般的になった。このCCを学問的に研究する学者も増え、米国ノースウェスタン大学のクラーク・ケイウッド教授は、CCの役割や意義を「IMC(Integrated Marketing Commu-nication」(統合的マーケティング・コミュニケーション)であると提唱している。これは複雑化した現代企業の組織では、コミュニケーターはPRエキスパートとしての機能を持つだけではなく、マーケティングやコミュニケーション、そしてマネジメントなどの広範囲のスキルが要求され、それをCCとしてとらえていこうとする考え方だ。日本の企業でCCの概念を取り入れるようになるのは1980年代の後半に入ってからで、大手流通業を中心にCCの組織を設けるところが登場し、最近では多くの企業で組織の名称として使われるようになっている。